2011年2月23日水曜日

ビセンテ・カリージョのフラメンコギター


写真:ビセンテ・カリージョのギター工房

先週、ビセンテから電話があり、待ちに待ったフラメンコギターが完成したと言う。すぐに都合を付けて、今日はカサシマロにある、ビセンテ・カリージョのギター工房を訪れた。

まだ、古いエントリーをご覧になっていない方は、こちらからビセンテカリージョと私の、ギター製作の過程をご覧下さい!
写真:ビセンテ・カリージョと話し合い

フラメンコギターとの対面の前に、まずは、クラシックギターの調整から入ります。今日の最初の課題です。このギターは、5月1日にベルリンフィルと『アランフェス協奏曲』演奏する時の為に特別に製作されたギターです。以前にもブログで紹介したように、このギターは、私の演奏の特徴に合わせて作られた特別なギターで、フラメンコ的な特徴を残しつつもクラシックの作品を演奏するのに適したサウンドの、私にぴったりのギターです。ギタリストにとって、弾きやすいギターとの出会いは、音楽を演奏する時の楽しみを倍増させる大事な要素です。


写真;竿の部分をチェックする
写真では、ちょうど竿の部分のフレットを触ってチェックしてるところです。ギター製作は、1ミリに満たない微妙な差が、1センチの差にも思える程、デリケートな世界です。これは、口では説明できない世界です。実際に触りながら、弾きながら、超微細な変化を重ねていくしか方法がありません。このミクロンの変化のおかげで、ギターがまったく新しく生まれ変わりました!


写真:新しい糸巻き


ビセンテが、ついでに糸巻きも新調してくれました。この新しい糸巻きは日本製のGOTHOというブランドのものだそうです。ものすごく滑らかで、全く力を入れずに、ひとりでに回転してくれるような感触が最高です。


写真:新しいフラメンコギターとの出会い

さあ!やってきました。新しいフラメンコギターとの対面です。写真では、感触を確かめながらこの新しいギターの弦をチューニングしています。このフラメンコギターも、私のニーズに合わせて、ビセンテが特別に製作してくれたオリジナルです。右手の弦と弦の感覚が私にぴったりで、左手もスムーズなタッチで非常に弾きやすいギターです。昨日最後のニス塗りを終えたばかりの、まさに生まれたてのギターです。


写真:ギターを試し演奏する

ソファーに座り、ギターの音色を確かめます。全てのフレットをひとつひとつ弾いてみて、スケールやメロディーも弾いてみます。意図したことが正確に音になってフィードバックされる感覚は最高。非常にクリアーな、力強い音を奏でます。たった数分弾いただけで、ギターが手の中に自然に落ち着くような不思議な感覚に包まれます。私の演奏法にあった、奏でられる音もとても特徴的で、あっという間に身体の一部になりそうなギターです。


写真:ビセンテ・カリージョと共にギターを試す

素晴しい出来上がりです、ビセンテ!来月のフラメンコのコンサートで、さっそく演奏させてもらいます。本当に、ありがとう。あなたはグラン・マエストロです!


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